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「ふぅ…。」
その夜、リョウは浮かない表情で夜空を見上げていた。
コンコン。
「どうぞ…。」
「よっ。どうした、元気ないな。」
「なんだ、お前かロン。」
「ご挨拶だな。」
「ほっといてくれ。」
「今日の舞踏会の護衛が騎馬隊なのがそんなに不満か?」
「…。」
「あら、ロンもいたの?」
「⁉」
「よっ、マーガレット。」
「姫、どうしてここに?」
「マーガレット。舞踏会に着ていく衣装、見てほしくて。どう?」
そう言うと、マーガレットはひらりと一回転した。黄色のふんわりしたドレスは、マーガレットの長いブロンドと白い肌によく似合っていた。
「…。」
「よく似合っているよ。」
「ありがとう、ロン。リョウ?」
赤くなって押し黙っているリョウを、マーガレットは不思議そうに見つめた。
「あっ、いや、その…お似合いですよ。」
「よかった。じゃあ、私、そろそろ行かないといけないから…。」
「おう。」
「お気を付けて。」
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