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「ありがとうございます、一緒に踊ってくださって…。」
「いいえ、こちらこそありがとうございます。とても楽しかったですわ。」
舞踏会も終わりに近づいた頃、2人は青年の誘いでテラスにいた。
「ところで、あなたのお名前は?」
「あっ、申し遅れました。私、ベルサム国の王子、ヘンリと申します。」
ヘンリは、右手を胸においてお辞儀をしながら言った。
「私は、フランシア王国の姫、マーガレットです。」
「お姫様でしたか。どうりでお美しい。」
「まぁ、お上手ですこと。」
その時、終わりを告げる鐘が鳴った。
「もう時間のようですね。」
「そのようですわね。」
そう言って、マーガレットは立ち去ろうとした。
「あの…。」
「はい?」
「また…会えますよね。」
「ええ。」
そう言うと、マーガレットは城を後にした。
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