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「お帰りなさいませ、姫。」
「ただいま、リョウ。」
部屋に戻ると、リョウが出迎えてくれた。マーガレットがどこかに出かけると、リョウはいつも出迎えてくれる、それがマーガレットには嬉しかった。幼い頃から子どもの少ない世界で育った彼女にとって、同い年のリョウやロンはよい遊び相手で、お互いが成長してからもよい親友となっていた。そんな人と過ごす時間がマーガレットは大好きだった。
「で、どうでした、舞踏会は。」
「とても楽しかったわ。」
「それは、良かったですね。」
「でね、そこで素敵な方と踊ったの。」
「えっ…。」
リョウは驚いた。何故なら、今までマーガレットはこんなに嬉しそうに他の男性と踊ることを話したことがなかったのだ。
「その人は、ベルサム国の王子様で、ヘンリって言うの。」
「…。」
「凄く楽しかったわ。」
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