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街に出たリザクだが、薬を買うお金なんてない。
道行く人から財布をスルしかお金を手に入れることなんて出来なかった。
スリをするにはできるだけ人混みのほうがいい。
リザクは街を駆け抜けて広場に向かった。
《ザワ ザワ ザワ》
広場には噴水があり、その前に人だかりが出来ている。
その真ん中で牧師らしき人が話をしていた。
リザクはその中に紛れ込んだ。
牧師の声が聞こえてくる。
「皆さん、神は我々を見捨てない。神は全てを見ています。
人は神の前で誰しもが平等なのです。希望を持って、明日を迎えるのです。」
牧師の言葉に聞き入る大人達。
リザクはその言葉に嫌悪を抱き、手当たり次第集まった人々の金品をスっていった。
(平等…平等なものか…神が見捨てないと言うなら戦争で死んでいった人はどうだって言うんだ!全て死んで当然の背徳者だって言うのか!!母さんや父さんは救う価値すらないって言うのか!!
神様なんて…平等なんて…信じちゃいけない。あんなペテン師の言葉に惑わされちゃいけない…。)
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