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《ザワザワザワザワザワ》
「どう?ウォルビー、見える?」
「んー…あんまり見えない。」
目一杯背伸びをして、人だかりの前を見ようとするが、やはり大人の身長にはかなわない。
「前に行ってみよう。」
「わかった。」
小柄な体格を活かして大人達の間をするする抜けていく。
その間に誰かの会話が聞こえた。
「隣国の町から来た奴隷らしい…」
「なぜ戦争で負けたこの国に来たんじゃ?」
「ホレ、相手の国王がこの街の隅に別荘を建てたじゃろ?その国王がいろんな奴隷を掻き集めているらしい…それも小さい子どもばかりじゃ…
金持ちがそんな子どもに何にするかなんてわかったもんじゃないわ…」
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