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入りくんだ路地の奥に小さな廃屋がある。
そこに住むのは親を失った子どもたち。
一番小さい子で3才の少女までいた。
「ただいま」
そこに13才くらいの少年が荷物を抱えて帰って来た。
「リジィ!」
「兄ちゃんお帰り!」「リザ兄ちゃんが帰って来た!」
「ねぇリザ兄ィ~ご飯は?」
「お腹へったぁ~」
リジィと呼ばれるこの少年、リザク=ステラはここに住む孤児達の中で一番年上で皆の兄的存在だった。
もちろん皆血の繋がりは無いが、戦乱の世を共に手を取り合って生きて来た彼にとっては、ここの子ども達は本当の妹や弟のように思っている。
彼の主な仕事は皆の食事を用意すること。
彼が帰ったとたん皆ワラワラとリザクに群がった。
もちろん、ご飯にありつけるからだけではない。盗みやスリでしか食料を集められない彼らにとっては、毎日捕まる心配をしなければいけない。
皆リザクの無事を毎日祈っているのだ。
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