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初出社の日、みちるは何度も経験してるこの緊張感を感じながら、電車に乗った。
(今度はどんな人達がいるんだろう。楽しくやれるといいんだけど。)
前の会社での人間関係はあまり問題もなくそこそこ楽しく仕事ができた。
ただ一つ課長との不倫を経験し、別れたばかりという事を除いては…。
何も家庭のある人をわざわざ選んだ訳じゃない。
行き詰まった仕事の山を前に溜め息をついていた時何かと相談に乗ってもらい、それから食事に誘われ…。
いつしか課長の知識の豊富さや包容力や部下への指導力が尊敬、憧れへと変わって行った。
みちるとしては、それで十分だった。見てるだけで、憧れているだけで幸せだったのに。
ある日、
「好きだ。俺は結婚してるけど、お前を他の男に渡したくない。」
そう課長に言われた時には無条件に嬉しかった。その後どんなに悲しい辛い思いをしたって彼についていけると思ってしまった。
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