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「あの、隣の席は誰かいるんですか?」
「ああ、大滝くん。大滝勇人くんね。今、いないわね。どこ行ったかな。」
その後、みちるは1人で仕事をしていた。
新しい職場、新しい机、聞きなれない声…不思議な緊張感と仕事をこなしていく達成感とを味わいながら。
「いや~まいったな。もう大学の先生わがままでさ。学生は俺より難しい事知ってるし、ついていけないよ~。」
大きな声でドンドンと足音を鳴らしてくる人がいる。
その足音はみちるの横で止まった。
みちるは挨拶をしようと席を立ち上がった。
「あの、今日からお世話になります、西川みちるです。よろしくお願いします。」
みちるが頭をあげたその先には、
「あ!」
さっき思い切りぶつかった人だった。
「あ、さっきはすみません。俺、すごく急いでいて。大滝です。よろしく。」
大きな声で謝りながらペコペコ頭を下げるからみちるはなんだか体裁が悪かった。
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