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(なんだか、変わった子の隣になっちゃったな。ちょっと苦手。)
それがみちるの大滝に対する第一印象だった。
(うまくやっていけるかな?)
みちるは自分が嫌いだった。
特に美人でもない顔。スタイルも頭も良いわけじゃない。これと言って自慢できる事はない。
人間は顔じゃないって言うけど、だからと言ってそれを補えるほど性格がめちゃめちゃに良いわけじゃない。
可もなく不可もなく…って感じ。
だから、恋愛も男の人も苦手だった。自分から告白するなんてありえなかった。
自分を好きになる人なんて貴重な人だと思っていた。
もし、課長が独身だったならどんなに良かったか…時々ふと思ってしまう。
コンと音がして紙コップがみちるの机に置かれた。
中にはコーヒーが入っている。
「え!?」
隣の席の大滝がもうひとつコーヒーを持っている。
「さっきのお詫びです。みちるさん。ブラックで良かった?」
「はい。ありがとうございます。」
みちるがコーヒーを飲むのを確認すると、大滝も自分の席についた。
そして、一口飲んで
「甘っっ!!」
と言ったまま、またどこかに行ってしまった。
(なんだかせわしない人。)
。
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