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ヤナハラ君は、本当に大人しい人で、クラスでも、静かに笑っているタイプだ。
かといって、からかわれる事もないのが、考えてみれば不思議だったが、私は今、その理由が分かった。
ヤナハラ君は穏やかに面白い。
話せば、次々と話題が出てくる。
それが嫌味じゃなく、私の話も上手く聞いてくれる。
柔道もやってて、なんか強いっぽい。
意外。
楽しい!
私はヤナハラ君と二人の電車の時間を満喫した。
なんか、シンデレラの気持ち、分かるなぁ。
このまま十二時にならないで。
このまま電車よ、駅につかないで。
でも、忘れちゃいけない。
ヤナハラ君とは駅で別れなきゃ。
こんないい人、ロマンチックパレスに近づけちゃダメ!!
電車は無情にも駅に到着。
私は、ここらか近いからと、ヤナハラ君にバイバイした。
後ろから・・・、ついて来る・・・・・・。
「あのね、ヤナハラ君。うち、本当に近いの。ここから歩いて十分ほどかな。だから大丈夫だよ。」
・・・その十分が危ないとか、あんたは警察かい!
うわぁ、ついてきたぁ!!
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