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二人で住宅街を歩く。
あと二つ、角を曲がれば、見える、見えてしまう、ロマンチックパレスが・・・。
私はヤナハラ君とお喋りしながらも、どうやって彼を帰すか必死に考えていた。
お父さんが厳しいとかどうかな?
・・・ダメだ、仕事だって、学校で言ってるや。
違う人の家に、「ここがうちなの☆」ってするかな。
・・・みんな表札出してやがる・・・。
ああ、角を曲がっちゃったあ!
あと一つ!!
「ヤ、ヤナハラ君、本当に本当にここでいいの!ってか、これ以上来ないで!」
ヤナハラ君は、やっぱり小動物の瞳で、なおかつ可愛く首を傾げて、どうして?、なんて聞いてきて・・・。
ちょい勘弁してよ!
言えないって!!
ヤナハラ君、私の事、そういう人だって、思うに決まってる!
毎日覗いてるとか思われる!
ヤナハラ君に嫌われたくないよ!!
嫌だよ!ヤナハラ君にロマンチックパレスの説明もしたくないよ!!!
「どうしても!大丈夫だから、ね!」
その油断が命取りとか、私、格闘家じゃないってば。
ヤナハラ君、笑顔でついてきた。
遠慮するなとか言って・・・。
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