願う物あらば叶える力産まれり

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図書館が見えてきた。浮遊系魔術を使っている間は常に体力を使うのですごく疲れた。 見ると、魔女さんは図書館の玄関の所を行ったり来たりしてブツブツなんかを言っているようだった。 地面に着地すると魔女さんは言った。 「浮遊系魔術は物から重量を奪う事で成り立つでしょ?それは地面との摩擦をなくす事に繋がる訳。つまり、風船を引っ張る原理に似てるわね。アナタは風船。箒は風船を引っ張る手。簡単でしょ?」 帰ってきて早々この調子のようだ。 「ところで・・・」 唐突に投げ掛けられた言葉に驚いていると魔女は聞いてきた。 「魔術が全て使えるようになったら、最初に何をしたいの?」 突然にも程がある。そういう事は最初に聞いて欲しかった。しかし、よくよく考えれば、僕は魔法をマスターする事だけを考えていて、魔法使いになってから何をするかなんて考えた事もなかった。僕の望み、僕の望み、僕の望み・・・ 「月に行きたいです。」 「へぇ~。それまた、なんで?」 僕の目標は決まっていたのかも知れない。今回の帰省から。 「妻の名前が「ツキ」なんだ。中学時代からの付き合いだからね。」
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