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次の日。
僕は魔女さんを読んで、月に行く事にした。まだ深夜で、日はまだ登っていなかった。
僕は、魔女さんに言った。
「魔女さんのおかげで月まで行けまるようになりました。今から行きます。見ていてください。」
静かな夜だった。星は瞬き、いろんな色で輝いていた。
「行ってらっしゃい。月から見た地球がどんな物か教えなさいよ。」
笑顔で魔女さんに手をふり、月に意識を向ける。蒼白い光の筋が月と僕をつなげてくれた。
「最後じゃないですけど、魔女さんの名前、教えてくれますかねぇ。」
そう言うと、魔女さんはクスリと笑って行った。
「ムーンよ。アナタの奥さんと同じ、ツキ。読み方は違うけどね。」
今回はあまり驚かなかった。何故か、知っていたような気がしたからだ。
僕はもう一つ、なんとなくだが気づいた事を光の中から魔女さんに言った。
「世界は進歩して、魔法が使えるようになった。でもその魔法を使う人間は、神話や伝説で出てくる魔法使いにはなれない。でも僕は気づいたんだ。
アナタは本物の魔女さんですよね。」
一瞬魔女さんの動きが止まったが、意地悪な笑顔で「そうかもな。」と言うと、飛び立つ僕に手をふった。
僕は月に向かって飛び、目に写る魔女さんはだんだん小さくなっていった。
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