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「そうよ。なんか文句ある?」
僕が追い続けた夢をこの少女は持っていた。しかもこの若さ。僕が夢を追いかけ始めた歳とあまり違いはなさそうだし・・・
「夢追いかけるの?どうするの?」
考えている時に唐突に言ってきた。答えを急ぐ所は、若さがにじみ出ていた。答えを急がない事が大切だという事に気づくにはまだまだ何年もかかるだろう。でも、答えは決まっていた。
「追いかけるよ!」
「半年。」
?
即答だった。何が半年?
「半年会社を休みなさい。夢を追いかけるんでしょ?半年では本当なら短いんだから。」
半年休む!?それは会社を「休む」ではなく「辞める」と変わりはない。一度の夢のために妻と娘に迷惑をかけていいのだろうか?
「むしろ辞めちゃいなよ。もし、魔法が使えるようになれば、今の会社の倍は儲かるのよ。」
空気を読んだ魔女さんの一言だった。
夢が仕事・・・これは妻や娘に了承してもらってでも追いかけたい。もう迷いはなかった。
「休んで来るから待ってなさい。」
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