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「始めましょ。」
そう言うと、魔女は一つの椅子に座った。つられて向かい側にある席に座る。
「お客さんよ」
と魔女が言うと、カウンターから一人の少女が出てきた。誰もいないと思っていたが、どうやら影が薄くてきづかなかったようだ。
少女は紅茶を運ぶと、自分の席に座り、さっきまで読んでいたと思われる本をまた読み始めた。
「あの子はね。この図書館の本を読ませる変わりに働いてくれているの。彼女も魔法使いのようで、彼女がこの図書館に来てから埃を見た事はほとんどないわ。」
と聞いてもいない事をペラペラ語りだした。きっとこの魔女にとっても、あの少女は自慢のようだ。
ん?ここで疑問が湧いた。
「この図書館ってもしかして、魔女さんが運営してるの?」
「なんでそう思うの?」
また変な返し方だった。そう思う理由を聞く魔女さん。それについて素直に答えた。
「彼女(少女)の事を自慢のように語るし、図書館に入ってからも共有スペースにしては酷いいいようだったから。」
そう言うと、魔女さんはニコリと笑って言った。
「アナタは推理能力があるのね。そうよ。ここは私の運営する図書館。普通の人には見えすらしない魔法でできているの。だから常にこの中にはあの子しかいないし。お客さんもいない。お客さんが来る時は私が連れてきたという事になるの。」
そう言いながら魔女さんは教本を開いた。
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