勉強、日々勉強。

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パラパラとめくると魔女さんはあきれたという表情をしながら言った。 「アナタはどうやら魔法を化学やなんかだと思っているのね。それじゃあ使える訳無いわ。」 魔法を化学?言っている意味がよくわからなかった。自分も中学時代に書いた要点を見る。 愕然とした。薬剤やら気体やら、環境がどうだのなんだのと、酷い事が書いてあった。 「こんなはずでは・・・」 思わず声をもらした。その声を聞いたらしく、魔女さんは言った。 「合格する事ばかり考えていたからこうなってしまったのね。正確な答えが欲しくて定理付けしたくなってしまうのよ。よくある事よ。」 フォローに近かった。おそらく年下の魔女にそこまで気を使わせてしまうくらい、中学時代の僕は酷い物だったのだろう。 「ごめん・・・」 「昔のアナタがした事よ。内面に成長がないなら今謝って意味はあるけど・・・成長したアナタは謝る必要はないんじゃない?もし、成長してないなら話は別だけど。」 話を聞いている内に馬鹿らしく思えてきた。昔の自分には進路がかかっていた。きっと心に余裕はなかったであろう。しかし、今は違う。単純に夢を追っているのだ。昔の僕とは違う。 「成長したさ。もう謝らないよ。早く勉強をしよう!」
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