勉強、日々勉強。

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ふふふと笑うと魔女さんは参考書を閉じた。 「では始めましょ。筆記は完全に捨てるわよ。私知らないもん。」 筆記を捨てる?知らない!?この先に不安が湧いた。 「実技に集中よ。魔法を使うのは始めて?」 「はい。始めてですし、正直・・・怖いです。」 そう言うと魔法さんは僕の額に手を乗せた。冷たくて気持ちよくて、不安を忘れさせて安心させてくれた。 「ね。怖くないでしょ?今のも魔法みたいな物。誰にでもできるおまじない。化学じゃ説明不可能な物。精神論が一番近いわね。」 つまり、この魔法は思いやりが届けた物である。僕はお風呂から出た時のような爽快感に包まれた。 「魔法はね。思いの力。精神論にカタチはないの。あるかわからない曖昧な物。それを信じる事から魔法のスタートよ。」 頭の中でぼやぼやと響く魔女さんの声。きっと催眠術なんかをかけられるとしたらこんな感じなのだろう。頭の中には言葉が漂っていた。
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