ケモナー荘へ

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 四号室に着くと田中は少し緊張しながらノックをした。   「ちょっと待ってね」 と、女性の声が聞こえ、扉が開いた。   「今日からここに住むことになった田中です。よろしく」  「私はレイよ。何かあったら相談にのってあげる」と、狐の獣人が笑顔で言った。この獣人が四号室の住人である。   「そうするよ。またね」  「うん。あ、ちょっと待って。このビデオをジンに渡してくれない。ジンのいる部屋わかる」  「うん。早急、挨拶をしたから。渡しとくよ」 と、田中はそう言ってジンの部屋に向かった。  田中はジンの部屋に入るとレイに渡されたビデオをジンに渡した。  「何のビデオなの」  「映画だよ。一緒に見るか」  「もちろん。ちょっとその前に、車から荷物をおろさないとな」  「手伝うよ。早くやって夕飯を食べながら映画を見よう」 と、ジンはうれしそうに立ち上がって外に出ていった。  田中は車にある荷物を今日から住む部屋に置き終えるとまた、ジンの部屋に入った。   「田中。どんな仕事をしてるの」  「あまりいいたくないなぁ。仕事は来週から」   「そう、なら明後日にレイを誘ってピクニックに行かないか」 「いいよ。でも、どこに」  「それは行ってからのお楽しみ」 と、笑いながらジンは言った。  「…。それより、鍋の方はいいの」  「あ、もういい頃だろ」 と、ジンは立ち上がり台所に向かった。  「田中。テーブルにのってるものを下に置いてくれないか」  「分かったよ」 と、田中はテーブルにのっているものを下に置き始めた。
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