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まぁ、そんなことはおいといて。話を元に戻そうか。
お皿の上に盛られていたものをさっさと平らげ、
洗面所へ行って身なりを整えた。
ここまではいつもの朝となんら変わらない。
たぶん、私に対する運命のいたずらは
あのゴミ袋を見つけた時から始まっていたんだと思う。
「支度も終わったことだし、さぁ学校へ行くぞ。」
と勇んで玄関に向かった私の目に飛び込んできたのは、
存在感をこれでもかと主張せんばかりに大きい物体。
白いし、この結び方からして生ゴミだろうと思いながら聞いてみる。
「母さーん、玄関にあるこの袋・・・。」
言い終えるまもなく彼女は素っ頓狂な叫び声を上げ、
私の目の前に現れた。
この間、約5秒。
彼女がいたはずのキッチンからダイニング・リビングを通って
ここまで来るにはありえない速さだ。
そしてすぐさま、へたりこむ。
「やっちゃった・・・。昨日、すぐ出せるようにって
ここに置いといたんだっけ・・・。
どうしよう、今からこれ出しに行ってたら、
お弁当が間に合わなくなっちゃう・・・。」
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