もう一人の人格

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憂鬱者Fはこの時を境に、自分に対して『恐怖心』を強く感じるようになった。 「このまま、もう一人の自分に人格を支配されてしまったら、 本当の自分は消えてしまうんじゃないだろうか…。 嫌だ! 俺は俺だ! 俺という人格で生きたいんだ‼」 思えば、憂鬱者Fはいつも 『理想とする人格』 に憧れていた。 嫌な事や、自分にとって不都合な事が起きると、 「誰かのせい」にして逃げてきた。 「自分に甘えていたんだ。」 全ての人類が平和で幸せである事が当たり前になってしまった今世紀…。 そのために「容易に生きる事」を望む精神的な弱さが、人格を狂わせてしまったのかも知れない…。
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