千客万来な1日

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 息も絶え絶えに向かった先は何かいわくがありそうな古ぼけたビル。その2階の1室が探偵事務所で。 今、最後のラストスパートとばかりに10段以上ある階段を駆け上る。足元がギシギシいって壊れそうな感じがするけど、そんな悠長なことは言ってられない。  最後の段を踏みしめ「ガタン!」とばかりにプレートが掛かったドアを開け、そのまま転がるように飛び込む。勢いがつきすぎて入ってすぐに見える大きなデスクに体当たりする形になったけど。 「いった~・・・(はっ)それよりあいつは!」 怪我の確認をするより早く部屋の中を見回す。電気をつけてないから薄暗いけど、どうやら人影は見当たらない。 「よ、良かった・・・これでイナバウアーしながら、事務所の掃除をしろなんて・・・い、わ・・・。」 そこまで言うとさすがに限界がきたのか、私はそのままその場に倒れこんだ。
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