千客万来な1日

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 あかねちゃんが淹れてくれたお茶を楽しみながら彼女とおしゃべりをしている時だった。  下の階から魔王・・・というのは言いすぎだけど、階段を揺るがしながらここへ向かってくる人の気配が。 (そーいえば、今日だったっけ?) そんなことを考えながら椅子から立ち上がり、扉からあかねちゃんが見えない位置でいそいそと彼を出迎える準備をする。バガン!!  予想通りドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきたのは、これまた予想通りの人物。 「オラァ!!おめーらが望んでいるものをいつも通り持ってきたぞ・・・って、今日は助手の奴いねーのか?」 「いらっしゃい、吾代さん。いつもご苦労様。うん、まだ散歩から戻ってきてないみたい。」 「いつも思うがあいつが散歩、ねぇ・・・。」  彼は吾代さん。元々ここにあった「早乙女金融会社」の社員だったんだけど、あいつに狙われたのが運のつき。哀れ無理やりに職種換えさせられて、現在はうちの事務所専門の情報会社(無償)の副社長で馬車馬のように働かされている。 「あはは。今ちょうど(あかねちゃんが)紅茶を淹れたところなんだけど、飲んでく?」  すると目の前の目つきが怖い人は一瞬眼をぱちくりさせ、少し考えてから首を振った。 「やめとくわ。鬼がいねぇうちに逃げとくに限る。」 「あ~・・・その方が得策だねぇ。」 「そーいうこった。じゃ、これ置いとくぜ。」  といって彼は週に1度持ってきてくれるようになった、謎があると思われる事件の資料の塊を「ガスン」と机の上に置いていった。
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