千客万来な1日

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 そう言って2人は去っていった。・・・そう、2人。残る1人は・・・。 「行かなくて良いんですか?」 「いーの。ネット犯罪なんて端から端まで片付けてたらキリないもん。たまには息抜かないと。」 「そんなこと言って、あれ以来毎日来てるじゃないですかぁ。」 「いーじゃん、へるもんじゃなし。」 「減ります。具体的には茶葉が。」  私が言い切ると、緋口さんはこの上なく悲しそうな顔をして「なぁ、今の聞いたか?・・・」とあかねちゃん相手にグチり始めた。(彼女はどう反応したら良いのかわからなくて、とりあえずストレートティーを出していた。)  そうそう。彼、警察関係者で唯一あかねちゃんの存在を知っているんだ。あいつのことも知っているくらいだし、平気かなって思って。最初はさすがに驚いていたけど、今ではすっかり仲良しなんだよね。  それを見ていたらなんだかおかしくなって。私が笑い出したら、それが仲直りの合図。緋口さんはこっちに向き直って「ニッ」と笑った。そしていつもの質問を口にする。 「なぁ、桂木。」 「ん?」 「俺・・・犯罪者かな?」 「ニッ」と笑って返す。 「緋口さんは犯罪者じゃないよ。たしかにきっかけを作ってしまったのかもしれないけど、不幸な事故になっただけです。」  もはや私たちのお約束になっている言葉を交わして笑いあった、その時だった。
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