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課長がいなくなったのを確認してから
「な、なぎささぁーん!大丈夫ですか?あたしで!?」
そう言って泣きつくあたしに
「大丈夫よ鈴ちゃん。今日からの展示会があるんだけどその準備だと思うわ。
課長がいるなら大丈夫。
きちんと確認しながらやるのよ。」
「丁寧にやれば大丈夫です・・・。頑張ってください・・・。」
課長がいるから・・・ってそれが一番心配なんですよ~!とはいえずただうつむく。
心配心配で・・・。
うわ~行きたくないよ~!
それでも決心を決め、
「わ、わかりました。なんだか不安なんですけど行ってきます!」
とやはり浮かない顔をしつつ課長を待たせいる外へと急いで向かった。
途中大地くんとすれ違い午後からは課長と出かける事を伝えると
「そっかあ。オレ午後からは会社だもんなー。課長いなくてラッキーだけど鈴ちゃんいないならちょっと寂しいかも。
課長かなり厳しいけど・・・頑張ってきて!」
さ、寂しいって・・・!大人ってさらっとこんなこと言えちゃうんだ!
社交辞令だとわかってはいてもちょっとうれしくなってしまう。
「ありがとうございます。課長と初外出だし、ちょっと不安で・・・。」
「大丈夫だよ!鈴ちゃんなら出来るって!」
「大地くん・・・それ絶対根拠なく言ってますよね・・・?」
「・・・あはは!バレた?」
「あははじゃないですよ~!人が本当に緊張してる時に~!」
あはは、と笑う大地君をみて少しだけ安心して
「じゃ!行ってきます!」
というと
「うん!頑張って!」
と声をかけてくれた。
二人でえへへと笑いあってからあたしはその場を後にした。
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