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そして再びザネリの方を向くとゆっくりと語り始めた。
「ザネリ、ジョバンニ。僕の話を聞いて」
嗚咽を漏らしながらも、ザネリはゆっくりとカムパネルラの顔を見た。
それを見届けると僕もそれに倣って彼に顔を向けた。
「僕がもう戻れないように、君達はもうこれ以上足を踏み入れないで。ここはあの世とこの世の狭間……2人を連れて行くわけにはいかないんだ」
永遠の別れが近づいてくる。
そう思ったら……僕も、ザネリも。
声が出ない代わりに熱いものが込み上げて、思わず視線を落とした。
「でもね」
その言葉にもう1度顔を上げる。
「僕は絶対に君達の元へ戻るから……約束する。だからさよならは言わない」
「「カムパネルラァ……!」」
その後はもうお互い方を抱き合って、ただただ泣くばかりだった。
そして……。
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