銀河の最果て

8/9
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
「ザネリ、ジョバンニ!」 懐かしい声が僕らを呼ぶ。 振り向くとそこには、捜し求めた彼がいた。 「「カムパネルラ!」」 僕らは転げそうな勢いでいっせいに走り出した。 彼も同じく走ってきた。 「2人ともどうしてここへ!?」 びっくりしたような困惑したような目が、僕とザネリを交互に見回す。 「カムパネルラ、私……」 今にも泣き出しそうな彼女を見ると、カムパネルラは全てを理解したようにふっと微笑んだ。 「ザネリ、君が泣くようなことは何もないんだよ」 「だって、私、あなたに……」 その先を言おうとする彼女の肩を掴むと、カムパネルラは人差し指を唇に置いた。 「これが僕の天命だったんだ、だから仕方がないんだよ。でも僕はちっとも悲しいと思っていないよ。 だってそうだろう?大切な友人である君を守れたんだ、これ以上に素晴らしいことがあると思うかい?」 「カムパネルラ……」 大粒の涙が零れ落ちていく。 少し寂しそうな顔でそれを見ると、彼は僕の方を向いた。 「ジョバンニ……」 「わかってる。ザネリのことは僕が見守っていくよ」 それを聞くとカムパネルラは安心したように笑顔をくれた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!