未来の君へ

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「それじゃあ僕、行ってくるね!」 「本当は私も行けたら良かったんだけど……」 「風邪を引いちゃったんじゃしょうがないよ。うつしちゃ悪いし、今日はゆっくり休んでて」 「そうねぇ……残念だけど、お父さんによろしく伝えておいてちょうだい」 「うん」 「ジョバンニ、ちゃんと挨拶するんだぞー!」 「わかっているってば、父さん。じゃあ、行ってきます!」 あれから1年という時間が流れた。 あの日の翌日、カムパネルラは村より下流の方へ流されていたのを発見された。 彼のお父さんが自分の子どもを抱き上げて「よく頑張ったな、偉かったよ」と言っていたのは今でも鮮明に覚えている。 お葬式の日、カムパネルラからの伝言を伝えたら泣き崩れてしまったことも……。 そんなことを思いながら、僕は親友の墓へ向かっていた。 近況と、素晴らしい報告をするために。
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