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墓地へ着き、カムパネルラを探す。
墓石を見つけた時、同時にその前で両手を合わせている少女がいるのも見えた。
「また来ていたのか、ザネリ」
「それはあんたも同じでしょ」
「まぁね」
あの後から僕達はよく一緒にいることが多くなった。
最初の頃は周りにいた子達も戸惑っていたけど、
だんだん慣れてくると違う意味でからかわれるようになったくらい仲良くなれた。
(だからって照れ臭いだけなんだけど……)
「ほら、ぼーっとしてないで!彼のご両親が待っているんだから」
「わかっているよぉ」
そう言って僕は短い時間、手を合わせた。
(約束を守ってくれてありがとう、カムパネルラ……)
「……これでよし、っと。お待たせ、行こう!」
「うん!」
僕は彼女が少しでも早く走れるように引っ張った。
彼女も僕の手をぎゅっと掴んだ。
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