未来の君へ

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それから僕達はカムパネルラの家へ向かった。 扉を叩くと彼の父親が笑顔で出迎えてくれた。 「いらっしゃい、ジョバンニ、ザネリ」 「こんにちは!」 「ご出産、おめでとうございます」 「ありがとう。さぁ、こっちへ」 そう言いながら、彼はとても幸せそうな笑顔で僕達を案内してくれた。 「君達が言っていたとおり、あの子は私達の元へ戻ってきてくれたんだね……ありがとう」 「いえ、僕らは彼の言葉をそのまま伝えただけですから……」 そう言って顔を真っ赤にしながら一年前、カムパネルラの葬式にしたことを思い出す。 夢から覚めた僕とザネリは、カムパネルラの最後の言葉を伝えるために彼の家へ走った。 先に逝ってしまった不幸への思いと生んでくれたことへの感謝の気持ち。 そして……もう1度戻ってくるという言葉。 その時は何のことだかわからなかったけど……やっぱり彼はすごいや。
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