未来の君へ

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「さぁ、着いたよ」 「……この中にいるのね」 ザネリの言葉に無言で相槌を打ちつつ、僕はドキドキしながらその扉を開けた。 「2人とも、よく来てくれたわ。さぁ、こちらへいらっしゃい」 ベッドの上で出迎えてくれたのは、カムパネルラのお母さん。 数日前、彼の弟を生んだ彼女が特別に僕とザネリを招待してくれたんだ。 「赤ちゃんは?」 「ここにいるわ……ぐっすり眠ってる」 そう言いながらお母さんは彼を抱きかかえて僕達に見せてくれた。 ほんの少し生えた髪の毛にぷくぷくでばら色のほっぺ、 閉じられている瞳はぱっちりとしていて愛らしい顔だろうというのがよくわかる。
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