願い

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   貴方に触れるこの指が  貴方のものであるように  私へと寄せるその唇が  私のものでありますように  叶わぬ願いを内に秘めながら  貴方との秘め事に身を委ねる  貴方越しに見える景色が  静かに揺れ動く度に  この甘美な一時が  永遠に続くようにと願うの  あの蠢(うごめ)く月明かりさえ  この迷路の出口を  照らし出すことは出来ない  だから私は願うの  いつの日か  この暗く長い迷路から  貴方と共に手を取り合い  光のある場所へと出られますように  
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