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[ただいまっと]
「あら、おかえり。どうだった?」
[いつも通りだよ]
「そう・・包帯・・外さないの?」
[無理だよ]
正直怖かった。移植が終わったにしても自分の顔がどうなっているのか。
鏡を見ることができず、人前で素顔を晒すなんて、恐ろしくて出来るわけがなかった。
「包帯変えてあげるからとって」
俺は母親にだけ素顔を見せてた。
「もう治ってるんだよ?」
[そう言ってもあんな酷い火傷が元通りになるわけがない]
「困ったものね・・」
火傷のせいで学校以外で外に出ることはかなり少なかった。
出るときは真夜中、その時はほとんど人がいないから包帯をせずに出ていた。
知り合いに会わなけりゃ顔が見られてもなんとか我慢できる。
[きっとまた噂されてるんだろうな・・・気持ち悪い奴がきたって・・]
正直、省きや陰口には慣れていて何にも思わなくなっていた。
わざわざ転校なんてしなくてもよかったのに・・
それでも母親にとってはイジメの現場を見てしまい相当ショックだったんだろう。
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