第一章 ~出会い~

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「…ありがと。いただきます。」   同じように真っ直ぐ前を向いたまま、少し頬を染めて水を口にした。   冷たい水がスーッと喉を通り、気分が落ち着いてくるようだった。   彰に言われたように、一口飲んでキャップを閉め、何故か嬉しい気持ちになった。   「…余計な事言ってごめん。」   突然に謝られて優花は面食らった。   「…心配させるような事言ったからさ…。   この人…私が具合悪くなったのは自分のせいだと思ってる…   違う…と言おうとして口をつぐんだ。   このお水はお詫びのしるしなんだ… 特別な意味なんかないんだ…   何も言わずに立ち上がると、白いバッグが目に入った。   潰れたバッグの汚れを手で払い、彰に差し出した。   「行こうか。これ…ありがと。」   努めて明るい声をだした。   ゆんゆん、歩ける?』   敦子が心配そうに尋ねた。   「うん。大丈夫。遅くなるから行こう。」   優花は先頭きって歩き出した。
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