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敦子が駆けてきて肩を並べて歩きだした。
「ゆん、大丈夫?カバン持とうか。」
「大丈夫。今日は重いからいい。辞書入ってるし…」
分厚い古語辞典の入っているカバンを恨めしげに持ち替えようとした時、後ろから手が伸びてきた。
あっと思う間もなく、彰が二つのカバンを肩にかけて先に歩いて行った。
「ワタシのも持ってよォ!」
敦子の不満そうな声に振り返った彰は、黙って首を横に振り、前を向いてまた歩きだした。
「彰く~ん、オレのも持って~。」
貴志が笑いながら自分のリュックを彰に放り投げた。
あいているほうの手でうまくリュックをキャッチした彰が、すぐさま投げ返し、呆れ顔で言う。
「お前、なんでこんなに軽いんだよ。」
先程から手にしてる優花のズシリと重いカバンと対称的だ。
「同じクラスでなんでこんなに違うんだ?…中身入ってないんだろう。」
彰に指摘された貴史が苦笑いしながら頭を掻いた。
「イイ子ちゃんのゆんゆんと一緒にするなよ~。コイツのだって軽いし~。」
と敦子を指さす。
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