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卒業してからもう3年近くになる。
先生と話していると高校生に戻れるような気がして、大学の頃は何かと理由をつけて母校に行っていたものだ。
『先生の送別会じゃ出席しないわけにはいかないもんね。』
と誰に言うともなくつぶやき、次のページをめくろうとして、ふと手が止まった。
次はたしかA組。そうだ…彼のクラスだ。
上段の右から3番目、眩しそうに少し顔をしかめた彰がいるはずだ。
私、まだ覚えてるんだ…
優花は苦笑してアルバムの表紙を閉じた。
今はまだ彰の顔を見る勇気がない。
あの頃に戻りたいな…
優花はアルバムにそっと手を乗せた。
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