第一章 ~出会い~

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駅前には長蛇の列。いや、列とはいえないような人だかり。   「何してんだよ!」 「まだなのかよ!」 「遅刻しちゃうし~。」 「どうなってんの!!」   罵声が飛び交う中、駅員が必死にマイクで説明しているが、騒然とした中、説明している方もオドオドしているせいかよく聞き取れない。   …なんだろう?事故かな?   キョロキョロと周りを見ながら、いつもなら待っている筈の敦子を探す。   「よッ!」   後ろから肩をたたかれ振り向くと、同じクラスの貴志が、走ってきたのか髪を少し乱しながら立っていた。 「電車 走らなそうじゃん。俺 ちょっと聞いてくるわ。」   そう言うと、人込みをかき分け、前の方へ進んで行った。 一生懸命セットしてきたであろう髪が、ますます乱れているのに気付くことなく、揉みくちゃにされながら戻ってくると、   「この先の踏み切りで事故があって、発車見込みナシだってさ~♪」   と、なんだか嬉しそうだ。
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