第一章 ~出会い~

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「ちょっと~!もしかして喜んでない?」   呆れ顔でそう言うと   「だってサボれるじゃん!電車動くまで遊んでようよ~♪」   と、あくまで軽いノリ。   「…あのね~…どこに遊ぶトコあるの?」   駅前とはいえ、繁華街とは程遠く、夜になると多少は賑やかになるが、朝から遊べるスポットなどあるわけもない。 ショッピングセンターの開店時間まで、まだ2時間以上もある。 時間潰しなどできやしない。 このまま電車が動くまで待つか、別の方法で学校に行くしかないのだ。   「なんだよ~!つまんね~!」   と、しゃがみ込む貴志の頭に、誰かが白いadidasのスポーツバッグを乗せた。   「ほら、行くぞ~!」   背の高い、学生服の男が、笑いながら貴志の頭に乗せたスポーツバッグを2度3度と動かし、立つように促した。   「イテッ!何だよ彰!」   彰?誰だろう?他の学校の人かな?  
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