12人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと~!もしかして喜んでない?」
呆れ顔でそう言うと
「だってサボれるじゃん!電車動くまで遊んでようよ~♪」
と、あくまで軽いノリ。
「…あのね~…どこに遊ぶトコあるの?」
駅前とはいえ、繁華街とは程遠く、夜になると多少は賑やかになるが、朝から遊べるスポットなどあるわけもない。
ショッピングセンターの開店時間まで、まだ2時間以上もある。
時間潰しなどできやしない。
このまま電車が動くまで待つか、別の方法で学校に行くしかないのだ。
「なんだよ~!つまんね~!」
と、しゃがみ込む貴志の頭に、誰かが白いadidasのスポーツバッグを乗せた。
「ほら、行くぞ~!」
背の高い、学生服の男が、笑いながら貴志の頭に乗せたスポーツバッグを2度3度と動かし、立つように促した。
「イテッ!何だよ彰!」
彰?誰だろう?他の学校の人かな?
最初のコメントを投稿しよう!