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無意識に襟の学校章のあたりを見る。
同学年…Fクラス…
こんな人いたっけ?
不思議そうな顔の優花をチラリと見て、彰と呼ばれた彼は、少し微笑んで頭を下げ、貴志を引っ張って行った。優花もつられて頭を下げた。
「じゃあね~。」
貴志と彰の後ろ姿を見送っていると、息を切らしながら敦子が走って来た。
「おはよう。凄い事になってるね!」
「電車動く見込みないって!どうする?」
すぐ近くに、JR線と並走している私鉄のK線の駅があるが、駅数が多い上に、駅間が短く、しかも各駅停車の為、JR線を使うより20分も多く乗車しなければならない。
また学校行きのバス乗り場までも、少し距離がある。
しかしそんな事は言ってられない。
「K線で行こうか…。」
「それしかないよね…。」
敦子と並んでK線の方へ歩き出しながら
貴志とあの人はK線に乗るのかな…
そんなことをぼんやり考えていた。
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