第一章 ~出会い~

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K線はJR線の事故の影響で、いつになく人であふれかえっていた。 たった4両編成の車輌では、JRから移動してきた乗客をさばききれるわけもなく、改札口はおろか、切符売場にすら入れない有様だ。 こちらも駅員が総動員で、必死に乗客を捌こうとしているが、普段、朝のラッシュとは縁遠いこの駅では、駅員もどう対処していいのかわからず、あちこちから怒声が聞こえる。   「…無理だね…」 「…無理だ…」   あの中に入っていく勇気はなかった。   「…次の駅まで歩こうか。」   ここにいるより、歩いて次の駅まで行き、そこから乗車する方がよほどいい。ここより空いているに違いない。 同じように考えている人が何人か、すでに歩き始めている。 二人も慌てて後を追った。   K線沿いの道の両側には、白とピンクの花が植えられ、気色ばった人の心をいくらか和ませていた。   10分ほど歩き、信号を渡って左に曲がると駅が見えてくる。     「うそ~!!」 「ここも駄目なの~!?」
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