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―出会いから十年が経ったー
僕は今、某学園の高等部二年一組の教室にいる。
ここは、僕の所属するクラスだ。
ちなみに今は、昼休み。
「風君、今日も一緒にお弁当食べよう♪」
「うん」
僕はいつも雛瀬と一緒に昼食をとる。
小さい頃は呼び捨てじゃなかったけど、今となっては自然と呼び捨てだった。
「じゃ、いつものように私達もお邪魔しようかな」
「食事は皆で食べたほうが美味しいし♪」
「というわけで、拒否権無しだから」
「俺も混ぜてもらおうかな」
突然割り込んできたのは、美穂・聖・理緒、それに宗也君だ。
ちなみに、四人とも幼馴染み。
ことあるごとに何処からか突然出てきて、無理な要求をしたりからかったりしてくる。
「まあ、いつものことだし・・・いいわよね、風君」
「うん、いいよ。いつものことだし」
こんな感じで、二回に一回は六人で昼食をとる。
これがいつもの日課。
それも、此処一年とかじゃなくて、小学校の頃からの。
「あ、風君。今度の日曜日、暇?」
「え?暇だけど・・・どうかしたの?」
「買い物に付き合って欲しいの」
「それくらい別にいいよ」
話してたら宗也君の視線が僕に、美穂たちの視線が雛瀬に向いていた。
心を見透かすような視線で見るのは正直止めて欲しい。
「・・・楽しそうだねー」
「今度の日曜日は私達も暇なんだけど」
「一緒に行ってもいいかなぁ、なんて言ってみたり」
「俺も日曜は暇なんだよなぁ」
・・・これはもう、このメンバー全員で行く事、決定だろうな。
まあ、構わないんだけど、このメンバーと行動してると雛瀬だけといる時の何倍も疲れるんだよな・・・。
「あー、じゃあ一緒に行くって事でいいわよ。何かもう、拒否権なさそうだし」
「ああ、拒否権なんかもともとないさ。つまり、最初から一緒に行くことは決定していたという事だよ」
「それって、ずるくない?」
「ずるくなんてないわよ」
今度の日曜日、大変そうだなぁ・・・。
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