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観覧車に乗って、少しの間、沈黙が流れた。
そしてふいに。
「ねえ、風君。景色が綺麗ね」
「そうだね。一番上まで行ったら、きっともっと綺麗だよ」
「そうね」
それからまたしばらく、沈黙が流れる。
そして、観覧車が一番上に近づいた時。
「ねえ・・・、風君。あなたに話したいことがあるの」
「えっと・・・僕もあるんだけど。で、話したいことって?」
僕が聞くと、雛瀬は顔をほんのりと赤くした。
「雛瀬?」
「あ、ごめん。あのね・・・。私、風君の事、好きだから」
「え・・・」
「今まで幼馴染みだったけど、でも・・・」
雛瀬からそんな事を言われるとは思っていなかった。
だから少し、びっくりした。
でも、僕も雛瀬と同じだから。
だから、こう言った。
「・・・雛瀬。僕も、同じだよ。ずっと幼馴染みやってきて、気づいたら雛瀬のこと・・・」
「風君・・・」
これが、僕の初恋。
きっと、最初から、雛瀬に恋をしていた。
そして、その日から僕らは幼馴染みから、恋人へと関係が変わった。
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