天使からの贈り物ー今いる場所ー

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それからしばらくの間。 学校では主に僕に対しての騒ぎが収まらなかった。 「おい、お前。雛瀬さんの事を独り占めするなんてずるいぞ」 「そうだ」 雛瀬と一緒にいることで、よく男子生徒から殺気のこもった視線が突き刺さってきたけど、関わっていると面倒なので無視。 そうしているとそのうち、男子生徒たちも僕と雛瀬の関係を認め始めた。 「風、よかったわね」 「何が?」 「騒ぎが収まって。もし大きくなってたら怪我人が出てたかもしれないし」 雛瀬の言う事はもっともだろう。 騒ぎがもっと大きければ、きっと今頃保健室は大忙しだ。 ちなみに、あの告白のあと、雛瀬は僕の事を、『風』と呼び捨てで呼ぶようになった。 まあ、僕がそう言って欲しいって頼んだのもあるんだけど。 「相変わらず仲がいいね、風君、雛ちゃん」 「雛も風君も、幸せそうだな」 「というか、雛と風君に何があってこうなったの?」 そう言えば、聖も理緒も美穂も事情を知らなかったっけ。 「そのことだけど・・・この間、遊園地に行ったんだ。それで、観覧車で・・・」 事情を説明する僕。 っていうか、僕と雛瀬が二人で出かける時はよくみんなして尾行してるくせに、今回は尾行してなかったのが不思議だ。 まあ、されないにこしたことはないんだけど。 「なるほどな。それで雛瀬と風はこうなったのか」 「でも、雛と風君なら、もっと前に付き合い始めてもおかしくは無かったと思うけど?」 「確かに。二人とも自覚無かったみたいだが、随分前から気持ちがお互いに向いてたみたいだし」 ・・・そうだったのかな・・・。 よく分からないけど、理緒がそう言うなら、そうなのかもしれない。 「そうね・・・。自覚は無かったけど、そうだったかもしれないわね」 「まあでも、いいんじゃない?どうせ結果は同じだったんだし」 「そうそう」 聖も美穂もこう言ってるし、まあいいか。 とにかく。 こうして僕と雛瀬は、クラスメート達にも認められて、誰の目にも恋人として見られるようになった。 ―そして、その後。 学校行事とか、色んな場所で、色んな波乱が起こったりするんだけれど、それはまた、別のお話―                          【END】
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