1人が本棚に入れています
本棚に追加
「始業式か、めんどくさいね」
「同感だ」
「右に同じく」
始業式。
それは、新学期が始まる事を意味している。
別に新学期が始まる事に不満は無いけれど、いつだって始業式はめんどくさい。
「ん?あれ・・・ヒナ?」
「美紀ちゃん、何か言った?」
「何も言ってないよ」
思わず呟いてしまったみたいだけど、誤魔化せた。
視線を向けると、視界ぎりぎりにヒナがいた、クラスメートと一緒に。
それとなく楽しそうだ。
「あ、二人とも、早く行かないと遅れる・・・」
「わ、ほんとだ」
「理紗、忠告有難う」
そんなこんなで始業式には間に合った。
夏休みが終わってから数日がたった。
あれから私は時々凪と一緒に居る。
話していると、とても楽しい。
けれど、何とかしなければいけない問題が一つあった。
美紀たちの事だ。
さすがにこのままにはしておけないし、出来る事なら以前のように戻りたい。
「雛乃、どうしたの?」
「別に何もないけど?」
「それならいいけど、何かあったら言ってね」
「ありがとう」
凪の優しさが嬉しかった。
だけど、これは私の問題だから凪に言う事は出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!