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次の日も、いつもと同じように美紀たちとおしゃべりをしていた。
「そういえば、もうすぐテストだね」
「そうだねー。勉強したくないなぁ」
「というか、勉強なんて嫌い」
・・・勉強が好きな人なんてそうそういないだろう。
私も嫌いだし。
もしそんな物好きな人がいたら是非見てみたい。
「何か、空気が重くなりそうだから他の話題にしない?」
「そうした方がいいと思う。ヒナちゃん、話題ない?」
「えっと・・・。じゃあ、最近聞いてる音楽とかは?」
泉に聞かれたが急だったため、こんな話題しか思いつかなかった。
「音楽かぁ。昨日発売されたばかりの曲を聞いたかな」
「あ、それって、前から楽しみにしてた曲?」
「うん、そうだよ」
美紀は欲しいものはほぼ毎回発売日に買う。
私も出来る限り発売日に買うほうだけど、美紀の方が回数は多い。
それは単に美紀の得意な事が情報収集だからだろう。
気がつくといろいろな情報を持っているし。
「で、どうだったの?感想は」
「すごくよかった」
「そっか。ねえ美紀ちゃん、今度貸して?」
「いいよ。今度持ってくる」
「ありがとう♪」
美紀と泉は好きな曲のタイプがほぼ同じだ。
だから二人はよくCDの貸し借りをしている。
私や理紗もよく借りているけど。
「あ、理紗ちゃん、この間言ってた本、持って来たよ」
「じゃあ、借りるよ」
本の好みはみんなほとんど一緒だけど。
でも、一番よく貸し借りしているのは泉と理紗。
「泉、その本は?」
「んー、ファンタジーかな。とっても面白いんだよ?」
「今度私にも貸して?」
「いいよ。美紀ちゃんも読む?」
「あ、うん」
「あ、でも、テスト終わってから借りるわね」
「まあ、私もテストが終わるまでに読めるかどうか分からないし。読み終わったらヒナに貸せばいいんだよね?」
「うん、そうだよ。ヒナちゃんが読み終わったら美紀ちゃんに、ね」
よくある回し読みだ。
私たちはいつもやっている。順番はいつもばらばらだけど。
それでも、読む事に変わりは無いので気にしない。
「じゃあ、この辺でね」
話しこんでいる間にどうやら分かれ道のようだ。
「じゃ、またね」
そう言って私たちは、それぞれ帰路についた。
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