1人が本棚に入れています
本棚に追加
テスト週間に入った。
私は毎日普段以上の勉強時間にほとほと疲れていた。
だから、おしゃべりをする気力もいまいち起きなかった。
「ヒナちゃん、お疲れみたいだね」
「何でテストとかあるのかしら・・・」
「先生たちの陰謀かなぁ・・・」
よく分からない会話だ・・・。
そんな会話くらいしか出来ないほど、私は疲れきっていた。
この時、テスト終了後に待っている出来事を、私はまだ、知らなかった。
その日、私が疲れきっていたからか、泉も美紀も理紗も、私の事を気にはしていてもあまり話しかけてこなかった。
「ヒナ、大丈夫?」
「一応はね・・・」
それぐらいで、それ以上話が続かない。
だからこそもあったんだろうけど・・・。
そんな感じで数日が過ぎた。
テストも何とか無事に済んだ。
だけど私は、ある問題を抱えていた。
―此処のところ、疲れきっていたせいでろくに三人と話もしていなかった。どうやってあの三人の輪の中に入ればいいんだろうー
そう、しばらく一緒にいなかったので、そんな気の迷いが出来てしまった。
「テスト、どうだった?」
「あんまり自信ないよ」
「難しかったよねぇ」
三人のそんな声が聞こえてくる。
だけど私は、今更どうやって話の中に入ればいいのか分からず、一人ただ立ち尽くすだけだった。
それは、数日経っても変わらなかった。
むしろ、状況は悪化した。
もう今更、あの三人の下には戻れない、そんな気がしていた。
私も話しかけないし、三人が話しかけてくることもない。
既に、孤立していた。
一日中一人だった。
だから休み時間は本を読んだりして気を紛らわせた。
もう、どうすればいいのか、私には分からなかった。
ただ一つ感じたのは、『寂しい』という事・・・。
最初のコメントを投稿しよう!