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ヒナと話さなくなってから、もう何日も経つ。
今もヒナは一人で本を読んでいる。
「結局、あまり点数よくなかったなぁ」
「仕方ないよ、難しかったんだから」
「追試じゃなかっただけましだよね」
「・・・終わったテストの話はもういいんじゃない?空気重くなるし」
「そうだね。じゃあ理紗ちゃん、話題決めて?」
「じゃあ、最近読んだ漫画は?」
今までと変わりない空間。
話も、今までと全く変わりは無い。
唯一変わった事といえば、その場にヒナが居ない事だ。
きっと、しばらく距離があったから戻ってきづらいんだろうけど・・・。
「へえ、そんな漫画があったんだぁ」
「面白いから読んでみる?というか、貸してあげるから読んでみたら?」
「うん、そうさせてもらうね」
「絶対、泉の好みの漫画だから」
「ありがと、理紗ちゃん」
私の側では泉と理紗が漫画の話を繰り広げている。
だけど、私は会話には入っていない。
ヒナの事を考えていたから。
ヒナが自分から戻ってきてくれるといいけれど、ヒナの事だから無理だろうし、だからといって今のヒナに声をかけるのはちょっと難しい。
どうしたものか・・・。
「どうしたの、美紀ちゃん?」
「ん?何でもないよ」
「そっか」
何とか誤魔化せたようだ・・・。
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