執行猶予

序章

突然の出来事でただ見つめることしかできませんでした。
しかし彼の口から出た言葉に私は次の瞬間立っていることすらできませんでした。
骨肉腫…10代の成長期に多い癌です。
減ってきてはいるものの死亡率は未だ高く恐ろしい病気。
右肘をさすりながら彼は腕を切断する覚悟を決めたことを私に告げました。

そして、最後にゆっくりと話し始めたのです。