# 04

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カラオケ店へ着くと、狭い個室へ案内された。 薄暗く、真ん中にテーブルがあり テーブルを挟むようにソファーがあった。 二人は向かい合うように座ると、飲み物を注文した。 カラオケ店までの移動中に、すっかり打ち解けてしまい 私の緊張もなくなっていた。 注文した飲み物が来ると乾杯をした。 他愛もない会話を楽しむ。 歌手は誰が好きだとか、 誰の歌を唄ってほしいとか、 お互い唄い合ったりして楽しんだ。 アツキが唄い終わり、ふと曲が途切れた。 部屋が静かになる。 私は急いで曲を探した。 何故か沈黙が気まずくて、焦る。 「ねぇ。」 急にアツキが話しかけた。 「ん?何?」 相変わらず私は曲探しに夢中で手元を見たまま、返事をした。 しばらく間を空けて アツキが言った。 「ハルカちゃんって、オレの初恋の子にそっくりなんだ。」 「え?」 顔が急に熱くなる。 鼓動が早くなる。 「だから最初、会った時ビックリしたよ-」 アツキはそう言いながら、照れくさそうに笑った。
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