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アツキは何事もなかったかのように、振る舞った。
私だけ
意識している。
初恋の子に似ている、なんて。
何の意味もないはずなのに…
カラオケも時間となり、店を出ると再びアツキの車に乗った。
あてもなくドライブをする。
アツキは相変わらず、明るい声で喋っていた。
私は上の空で、それを聞いていた。
ブラブラとドライブをしていると、ホテルが立ち並ぶ通りに入った。
キラキラと派手な電飾が眩しく
目がチカチカする。
「あっあのさっ…」
アツキは、急にしどろもどろしながら、私を見た。
「あの-。…ちょっと休憩…して行かない?」
「……」
私は内心、やっぱりかと納得していた。
やっぱり出会い系だ
結局こうなる。
初恋の子に似ている。
なんて、口説き文句なんだ。
舞い上がった自分が馬鹿らしい。
彼は違うかな…と心のどこかで思っていたけど。
同じだ。
そして私も、簡単な安い女。
そう彼に思われている…
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