# 05

3/3
前へ
/52ページ
次へ
アツキに抱きしめられると、背が高い私でも すっぽりと包みこまれた。 何とも言えない安心感があった。 だけど。 何も期待してはいけない。 今日限りの事。 時間が来たら、それぞれ戻って行く。 きっと もう会う事もない。 今までだって、そうだったから慣れている。 帰りの車の中で、アツキが言った。 「また会ってくれる?」 「うん。」 笑顔で答える。 お互い社交辞令だと思った。 そして二人は別れた。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加